ここでは…あわてなくてもいい。がんばらなくてもいい。
黙っていてもいい。泣いても、笑っても、ひとりでも…
どんなあなたでも、そのままでいていいんだよ。
肩の力を抜いて、少しゆっくりと歩いて
鳥の声に足をとめて、風のにおいに目を閉じる。
そんなふうに過ごしていると
じぶんのなかの時計が、静かに時を刻みはじめる。
忙しさから少し離れて、深く息を吸い込むと
思いがけず、ふっと涙がこぼれそうになるときがある。
無理をしていたことにも、気づかずにいた自分がいたことにも
この静けさが、そっと教えてくれる。
春の山にかこまれて、朝露の光る野菜を摘み
土のにおいをかぎながら…台所に立つ。
ここでは、特別な料理はないかもしれない
でも、毎日が特別だと思えるような、そんなごはんがある。
にわとりが産んだ卵の、あたたかさ…
その命を、ありがたくいただく朝。
芽吹いた野草、ハーブや薬草の力を借りて…
湧き水で洗い、火を入れ、煮含めていく。
雑穀のお粥、山菜の煮物、季節の薬草湯
どれも静かで、どこか懐かしく、からだの芯に、やさしくしみていく。
野菜の煮物が、こんなにもしみるなんて…
薬草湯につかる時間が、心をほどくなんて…
夜がこんなに静かで、朝がこんなにやさしいなんて――
この場所に来ると、からだの声が、ようやく聞こえてくる。
「何かが足りない」のではなく、
「すでに十分にある」という感覚が、ゆっくりと、思い出されてくる。
ハーブの香り、果実の甘み、
空気のやわらかさ、水の清らかさ
すべてが、今のあなたに必要なものとして、静かにそばにある。
食べること、眠ること、ただ、そこにいること
それだけで、人は少しずつ整い、ゆるみ、また生きていけるようになる。
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Villa CAMPOは、船戸クリニックのすぐ隣にある小さな宿泊施設です。
だけど、「病院の横にある場所」というよりも、
わたしたちはここを、「心と身体をゆるめる場所」と思ってもらえたら…と願っています。
医療のサポートを受けながら泊まる方もいます。
でも、もちろんそれだけではありません。
ただなんとなく、疲れがたまってきたな…
気が張りつめた毎日から、少し離れたいな…
誰かと会いたいわけじゃないけど、ひとりきりも苦しくて
大きな理由はないけれど、どうしても「休みたい」って思ったとき…。
そんなときに、ふらりと訪れてくれてもいい。
誰かと比べなくていいし、がんばることもしなくていい。
ここでは「どうしたの?」と聞かれることも、
「元気になってね」と言われることもありません。
静かに、ただここにいて、ごはんを食べて、
眠って、空を見て、それだけで、十分なのです。
Villa CAMPOは、どんなあなたも迎え入れられる場所でありたいと思っています。
Villa CAMPOは、自然の恵みと、静かな時間と、人の手のぬくもりとともに
今日もそっと、扉をひらいて待っています。
ここに来た人が、決まって言う言葉は、
「こんな場所があったなんて知らなかった」
そして最後に、「帰りたくないな」って、つぶやくんです。
もし少しでも「気になる」と思ったら――
それは、今のあなたに必要な時間なのかもしれません。
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ある日の天地香薬
天地香薬:ローズ
漢方茶:十全大補湯
前菜:白菜とりんごのサラダ
主菜:サバのトマトソース煮
主飯:土筆としらすのごはん
スープ:ブロッコリーのポタージュ
デザート:小豆といちごの葛ねり
その日の体と心によりそう、季節の献立。
野菜も、薬草も、土筆も、すべてはその日の、その土地の“いのち”。
食べることが、じぶんを癒す手立てになるように。
ここでの食事は、薬ではなく、対話のようなものです。
Villa CAMPOの日々のごはんや滞在の風景はInstagramでご紹介しています